自費リハビリの求められる役割とはなんでしょうか。
日本は医療では国民皆保険制度があります。
国民健康保険と職域保険で国民の99%が住む場所や収入に関わらず、
一定水準の医療が受けられる。
国民皆保険制度は日本が世界に誇る素晴らしい制度だと思います。
そして保険制度はこれだけではありません。
介護保険サービスや障害福祉サービスもあります。
これも各家庭の経済的負担を考えると、何割かの自己負担でサービスを受けられるのはとても素晴らしいことだと思います。
これだけ経済的に見れば素晴らしい制度があるのであれば、自費診療なんていらないのではないでしょうか。
私もそう思っていました。
しかし素晴らしい制度でも課題となる部分があります。
1つめが経済的な課題です。
最近よく取り柄げられている財源の逼迫ですよね。
医療費などの財源の逼迫によって、官→民の流れは止まらないように感じています。
行政の医療施設が民間のサービスに代替してきています。
つまり医療が財政の重荷とされているということです。
ある意味、人の命や健康よりも経済が優先されているという見方ができるとも言えます。これは資本主義の大きな枠組みの中で、一つの歯車として動いているのであれば、致し方ないことなのかもしれません。
2つめはエビデンスで対応出来ないことには対応する術がない。
保険医療ではエビデンスが重視されます。
それは誰がやっても安全で、再現性があって、一定水準のサービスを提供できるようにするためです。
これも安全で、再現性があって一定水準のものを提供するには素晴らしいことです。
ただ、エビデンスで解決できることもあれば、現段階でエビデンスが出ているものでは対応できないこともあります。
エビデンスは統計や平均を重視するために、適応しないで取りこぼされる個がどうしても出てしまいます。
これは自分達が介護保険分野、医療保険分野で活動いる時に歯痒かった部分でもあります。
保険サービスはエビデンスに基づいて、一定水準のサービスを提供することが求められています。
自費サービスはその制約がありませんので、自費サービスを行っている事業者によって、各々考え方や目指すものが異なります。
私たちは、自費リハビリの求められる主な役割は以下のようなことだと考えています。
・保険サービスでは手が届かない痒い部分に対応できること
・エビデンス重視の保険サービスの見方では納得できる結果が得られていない、違う視点からのアプローチが必要な方へ対応ができること。
・統計などでは出てこない、マニアックな回復を望む方への対応
当院では、保険サービスや保険サービスの延長の大手に行っても納得できなかったという方々が多数通われており、皆さん次の目標に向かって取り組まれています。
将来的に当院でやっているようなことが保険適応になっていくと良いなと考えていますが、世の中そんなにシンプルではありませんよね。
20年、30年単位の膨大な数のデータと業界への影響力が必要になってくるかと思います。
現状私たちに制度を変えることはできないですし、自分達が生きている間に変えることを目指せば相当な痛みを伴うと思います。
制度を変えるために動く、制度が変わることを待つよりも、自分達が今できる形で最良と考えられることを目の前の方々へ提供していく。
そんな想いで日々施術に向き合わせて頂いています。
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