これは脳卒中後遺症を克服した患者さん自身が書かれた本です。
こういう患者さん自身が回復した軌跡と言うのは軽んじられることが多いように感じます。
世の中で回復が難しいと言われている疾患であればあるほど、回復した事例では、「あの人は軽症だったから治ったんだね」と言うようなこと言われてしまいがちです。
こういう背景もあり、サバイバー系の書籍は如何わしいと感じる人も多いのではないかなと感じます。
そもそも、論文でなければ信憑性に欠けると感じる人も多いのではないでしょうか。
それが多くの人の常識だと思います。
しかし当院スタッフは10年以上、片麻痺の研究を行なっています。
理学療法士として病院勤務をしているときには従来のリハビリテーションの考えをもとに片麻痺のリハビリの研究を行っていました。
しかし日々取り組む中で、常識的なアプローチでは限界があると知りました。
この本にかかれている事と全て同じ考えではありませんが、考え方や視点を抜本的に変える必要があるという主張に関しては同じ意見です。
また、方法は難しくない。それを信じてどこまで実践するのか。
難しいとされてしまうのは治ると信じることができるか否かです。ということに関しても同意見です。
今までの片麻痺へのアプローチでは難しいと言うことが証明されきており、新しい、何か特別なことをやらないと麻痺は治らないと思われているような時代の流れを感じます。
しかし、医療とは別の視点から片麻痺の後遺症と向き合ってきた我々としては、適切な対応することで世の中的には信じられないような経過を歩む症例を多数みてきました。
信じるか信じないかと言う話は置いておいて、片麻痺の後遺症で悩む方は一読する価値がある本かもしれません。
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