「代償動作」という言葉があります。
代償動作とは、本来の動作や運動を行うのに必要な機能以外の機能で補って動作や運動を行うことです。
「ズル」や「ごまかし」と言った表現を使われることがあります。
「代償運動」は、特に脳梗塞、脳卒中などの後遺症で身体が動かしにくくなっている方や、
関節疾患等によって痛みがあったり、可動域が狭くなったりして、
身体が動かしにくくなっている方ほど現れやすくなります。
麻痺している筋肉や弱っている筋肉、
不活動になっている筋肉を補うために「より強い筋肉」が動いて
目的としている動きを補う「代償運動」は、人間にとって自然なものです。
しかし、ことリハビリにおいては、
このような「代償運動」は、目的の筋肉に刺激を与えることの障害にしかなりません。
では、代償動作が悪なのでしょうか。
正確な正常動作を獲得するには時間を要することがあります。
ですから短期的な動作能力の向上を目的とした場合、代償動作でもよいから動きの幅を広げるという考え方もありだと思います。
しかし、代償動作とは本来の人体の構造から逸脱した非効率な動きですので、
長期的な視点から考えると体を壊していく方向に進んでいくと考えています。
人体の構造上無理がある動きをすることで無理な方向に関節も歪んでいき、より非効率な動きを助長する。
この負のループの入り口なんですね。
退院した時は動けたのにだんだん動きにくくなるというケースが片麻痺の方に多いですが、これは代償動作によってより歪みが強くなったことにより動きがより非効率になるということも原因の一つであると考えています。
目先のQOLよりも長期的な視点で機能回復を考えられるのであれば、極力代償動作は減らす方向に取り組んでいけると良いです。
私たちは短期的な効果を狙ったリハビリではすぐに限界が来ることを保険診療の療法士時代に嫌になる程経験しました。
片麻痺はそんなに簡単な後遺症ではありません。
しかし、必要なことは本当はシンプルなんです。
今まで見逃されてきたことの中に前進するために重要なことが多々眠っています。
これには患者さんやご家族の理解が必要になります。
目の前にぶら下がった短期的な効果ではなく
中長期的な視点を持って、今をコツコツと取り組める方、着実に前進していきたいと考えられる方には当院は合っていると思います。
目の前の短期的な効果の誘惑に勝てた方には、それ相応の得られる未来があります。
厳しいこともお伝えしますが、患者さん一人一人の目標を達成するためだとご理解いただけると幸いです。
私たちも覚悟を持って向き合っていますので、是非一度話を聞きに来てください。
体験施術をご用意しています。
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